私も奥さんも、日本育英会の奨学金を学費の足しにして、大学を卒業しました。
奨学金の種類は、貸与型の第一種(無利息)です。
奨学金の関心は高いようで、Yahoo知恵袋などの質問サイトでも関連する投稿が多いですね。
質問者が知りたいことは、
- 借りた方がいいのかどうか
- ボーナス月はいくらの返済額になるのか
- 返済額や返済期間について
- 返済できついとき
- 返済が免除されるケース
- 踏み倒せるのか
と多岐に渡ってますが、ぶっちゃけ貸与型の第一種は無利息ですが「借金」ですから、そこんとこ、よく考えた方がいいです。
この記事では、貸与型奨学金の第一種を利用して学費を自ら調達しながら卒業し、11年という長期間に渡って完済した経験から、
- なぜ奨学金を借りたのか
- 返済はきついか
- 返済額はいくらなのか(ボーナス月はいくらか等)
- 奨学金は不公平な制度かどうかを振り返る
- 奨学金が返せなくなったら何をしたか
などについて書いていきます。
貸与型奨学金のきつい返済の実態
私の場合は2年間、奨学金の貸与を受けて、返済総額は約90万円でした。
奥さんは4年間でしたから、もっと返済総額は多かったのです。
それぞれのケースで、詳細は後述します。
ちなみに奨学金は返済ではなく「返還」と公式サイトでも書かれていますが、このブログ内では、わかりやすく「返済」で表記します。
返済方法はボーナス月に一括
私は年払いを選択しました。
毎年12月、ボーナス月にいくら払っていたかと言えば、8万円を振込返済していました。
返済中は会社員でしたから、一応、ボーナス払いのような感覚で返済していましたけど、ボーナスの手取りが30万前後だったので、その割合は大きかったです(汗)
ボーナスを貰っても、ボーナス月に奨学金の返済額が思い浮かんで、いくら手元に残るのか心配したものです。
まだ独身でしたから何とかなったのですが、結婚していたり、子どもが生まれていたとしたら、結構、家計はシンドイ状況だったかもしれません。
毎月返済の選択肢もありましたが、当時は、自動車のローン返済もあったので、毎月の返済額が大きくなるのは避けたかったのです。
当時の月給は、手元に14万円ほど残れば御の字で、その中から、
- 自動車ローン返済 約4万円
- 奨学金返済 約7,000円
- 家賃(1R) 約5万円
- 光熱費 約1万円
- 食費 約3万円
が消えていくわけですから、かなりギリギリです。
ボーナス月に頼るしかありませんでした。
奨学金返済は親から一切の援助なし
たった90万円で11年もかかるなんて、どんだけ負け組なんだって思いますよね。
一括返済できるぜ、そんな半端な金額って感じの勝ち組もいるでしょう。
似たような事、実際に言われたこともありましたよ。
ちょっと余裕のある家庭は奨学金に見向きもしないし、ましてや奨学金の返済負担に悩んでいる人の悩みには、絶対に答えられないです。
親のスネをかじっていることに何とも思わない人も、この気持ちは汲み取れないです。
進学に関して、お金の心配は無い方が良いです。
これは絶対です。
特に大学全入時代となってしまった今は、国公立大学と私立大学、自宅通学か仕送りかという状況に応じて、教育費用の計算と積立をやっておくべきです。
じゃないと、家計のやりくり、きついですよ。
しかもですよ、親が教育費にかけられる金額と学力は比例関係がありますからね。
日本においても、家庭の経済社会的背景(SES:家庭所得と両親学歴を合成した指標)が低い水
準にある児童生徒の方が、各教科の平均正答率が低く、ばらつきが大きい傾向が見られるとの指摘があ
る。出典 : 令和元年度 子供の貧困実態調査に関する研究 報告書 – 内閣府
2.2 貧困の連鎖に関する先行研究の整理 P24
奨学金の返済に関しては、親からの援助は一切受けませんでした。
自分の手で返済する理由があったからです。
それは、奨学金返済の援助を盾に、親からごちゃごちゃと小言を言われたくなかったからです。
「せっかく援助したんだから、もっと頑張って仕事しないと」
みたいな恩着せがましいことを絶対に言ってくるタイプの親だったわけです。
本人らの学歴については、あえて名誉のために触れないことにしますが察してください。
ヒントはC卒とK卒です。
俗にいう、イニシャル変換で言うところの「DK親」の元で育ちました。
本人たちは自覚ないですが、セクハラやパワハラ同様、毒親だと受とめられたら、それはもう毒親なんです。
あ、言っちゃいました(汗)
この辺の黒い話は、需要があれば別の機会にやりますね。
ライトな毒親レベルですから、検索で弾かれることは無いと思います(笑)
借金完済した時の心境
「ようやく終わった・・」
でした。
長くかかることは承知の上で年払いを選択したのですが、達成感よりも返済義務を果たしたことで解放された感が強かったです。
同時に、ボーナスの使い道が増える喜びもありました。
性格的に派手に使う方ではなく、預貯金に回せることが嬉しかったですね。
当時、投資を知って、そこに回しておけば、今頃はホクホクだったのに悔やまれます(汗)
溶かしたーってなっても高い勉強代よ。
返済免除のケース
ウチの奥さん、奨学金の返済は免除されました。
理由はコチラ。
日本育英会奨学金返還免除規程第3条第5項に規定する免除職(常時勤務を要するもの)
小学校・中学校・高等学校(特別支援学校の小学部・中学部・高等部を含む。以下同じ)・中等教育学校の校長・副校長・教頭・主幹教諭・指導教諭・教諭・養護教諭・栄養教諭又は常勤講師の職
高等専門学校の校長・教授・准教授・助教・助手又は常勤講師の職
大学の学長又は大学若しくは大学院の教授・准教授・助教・助手又は常勤講師の職
少年院において小学校・中学校で必要とする教科又は高等学校に準ずる教科を授ける者の職
文部科学大臣の指定した別記の試験所・研究所又は文教施設において、教育又は研究を行う者の職(学部で受けた奨学金は該当しません。また、組織の再編等により一部の部署のみが指定となっている場合がありますのでご注意ください。)
既に廃止になってますが、これが適用されたんです。
ただし条件がありまして、在籍年数が
免除職に通算して5年以上、15年間在職しなければなりません。
ということでしたから、簡単には辞められない面もありました。
いずれにせよ長い間、関わることになります。
奨学金を検討している方へ
親御さんでも本人でもいいんですが、よく考えて応募して欲しいです。
勢いで申し込む方は居ないとは思いますけど、親子でしっかり話し合うのはもちろんですが、貸与型の場合は、
- 利息が付くタイプ(選考基準が少しゆるい)の利率
- 月額の貸与額(進学先によって違う)
- 見込みの貸与額総額を計算する
- 返済方法を取り合えず決めておく(親子で分担なども含めて)
- 教育ローンなどと比較してみる
- FP等の家計の専門家の意見を参考にする
少なくとも、これぐらいはやっておいて損はないです。
私の場合は、全て自分で奨学金の利用を決断しました。
「親には一切頼らない」と決めてましたから。 ← 詮索はご自由に(笑)
奨学金貸与型第1種の返済がきついこと まとめ
教育費は避けられない費用です。
親の経済力が学力に比例するというデータもあるそうですが、うーん、わからないでもない・・・。
だけど、それが当てはまらない人もいますよね。
まあ他人の事はどうでもいいんです。
志望校に行きたい、でも経済的に少し不安がある、では奨学金を利用するかどうか、という選択肢のひとつでしかないです。
しかも奨学金制度は日本育英会だけではありません。
ご家庭によっては孫のために一肌脱ぐ祖父母もいることでしょうし。
奨学金の募集は今でもありますが、渡りに船の勢いでの応募だけは避けましょう。