オウンドメディア運用やSEO対策を個人事業主に依頼するメリットとデメリット

約2年前の公開・更新記事です。現在の状況と異なる可能性があります。ご留意ください。

SNSからの集客が大きなカギとなっている現代のWebマーケティングにおいて、オウンドメディア運用におけるSEO対策はオワコンだとの見方もあります。

しかし、オウンドメディアのSEO対策ニーズは、思っているほど落ち込んでいませんし、むしろ、必要性に気付いている企業が増えています。

なぜならば、

  • 記事を書いているのに集客できない
  • SEO対策は知っているが人手が足りない
  • SEO対策のノウハウがないから困っている

といった相談は一定数あるからです。

検索順位が相対的に上位であることは、運営するオウンドメディアの品質が良いことの証明になり、しいては安定した集客に繋がるSEO対策は、今こそ、取り組むべきことではないでしょうか。

ただ、SEO対策の依頼に至るまで、前述のような悩みを抱えているクライアントは非常に多いことから、この記事では、

  1. 法人か個人か選択のポイント
  2. 悩み別の依頼方法
  3. SEO対策のメリット
  4. SEO対策のデメリット

についてお伝えします。

SEO対策は法人か個人か選択のポイント

SEO対策を依頼する段階では、依頼先を法人か個人か、どちらにすべきかということに悩むケースは多いものです。

実際に相談を受けた際に話しを聞いてみると、やはり高い確率で迷っていることが伺えます。

それぞれ特徴や傾向をまとめると、このようになります。

法人SEO業者の特徴

法人のSEOサービスは、価格帯やサービス内容が多岐にわたり、どれもよさそうに見えるのが特徴です。

格安SEOサービスという名目で、月額数千円でサービスを展開している業者もありますが、そのほとんどは自動化、あるいは定型化されたものであり、大きな成果に結びつくとは必ずしも言えません。

SEOについて、ある程度の知見があり、足りない部分をカバーする目的での利用ならメリットはあるでしょうが、全くの知見なしに利用するサービスではないです。

格安SEOサービスの一方で、戦略設計や実務サポートを含む本格的なコンサルティングとなると、一気に月額料金が数十万とハネ上るのも特徴となります。

さすがに高い費用を払うだけあって、非常に充実したサービスを提供してくれますが、大規模サイトに向けたサービスと考えましょう。

また、あまりにも充実し過ぎて、クライアント自体が施策に対して掌握できないという、マイナス面も否定できません。

運営サイトが、月間数千アクセス程度でくすぶっているケースでは、法人のSEO業者では見積もりが高すぎて断念せざるを得ないというのが現実ではないでしょうか。

個人SEO業者の特徴

個人のSEO業者のサービス内容は、対応範囲を限定しているケースが多く見受けられます。

例えば、コンサルティングの初期段階で必要な現状把握や改善提案、キーワードの選定、アクセス解析のデータを読み取っての戦略立案など、サイトの現状に合わせて業務範囲を決定するイメージです。

ゆえに費用は非常にリーズナブルとなっています。

改善提案程度なら1万円、対面でのコンサルティングは1時間で1万円など、単発のメニューも用意している個人業者さんもあります。

もちろん依頼の内容次第では、一貫してサービスを提供することもありますが、その場合でも法人のように月額数十万といった料金はほとんど発生せず、相場としては月額5万円からというところです。

費用が安いからレベルが落ちる、あるいはスキルが劣るということは決してありません。

ただ、個人業者の場合はチームで対応することは珍しく、ひとりでの対応となるので人件費がかかっていないという面があるため、リーズナブルな料金設定が可能なのです。

また、クライアントに対しては多くの時間を有効に使えるので、コミュニケーションが取りやすい面もあります。

判断の分かれ目

さて、法人か個人か、判断の別れとしては、

  1. 自社サイトの規模、および状況
  2. 依頼する側のSEOの知見の有無
  3. 予算と時間

で考えると良いです。

自社サイトのページ数が100ページ未満で、月間のアクセス数も数千程度、あるいは何も状況を把握していない、全く問い合わせが無いといった状況では、まず、個人のSEOコンサルタントへの依頼を検討することをおすすめします。

ある程度の目標を達成したところで、法人のSEOサービスに切り替えるというものです。

3ヵ月から半年ほど経過を見て、切り替えるか継続するかを考えるとムダの無い投資となります。

もし自社にSEOの知見を有する人材がいない場合、個人のSEO業者には実務もサポートしてもらいましょう。

実務サポートを業務範囲に加えたところで、法人のSEOサービスほど、高額な見積もりは出てこないはずです、内容にもよりますが・・・。

その際も、ただ任せるのではなく、SEOのノウハウをしっかりとコーチングしてもらうことが重要です。

法人の場合はオリジナルの手法などもあり、ノウハウの共有ができないケースもあるので、自社の成長のためには、ぜひ、ノウハウを吸収できる体制を取っておいてください。

事業規模が小さくなるほど、予算が厳しいのは百も承知です。

それでも手を挙げるのは個人のSEO業者なので、メッセージやメールだけの相談ではなく、人柄や話し方などを知るためにも、ぜひ、オンラインでの面談をするように心がけてください。

悩み別の依頼方法

SEOの相談を受けると、真の悩みはSEO以外にあるといったことも、実は珍しいことではありません。

素直に実情を伝えてくれると、それなりに状況を鑑みて見積もりや業務範囲など、クライアント様独自のメニューを考えるのですが、相談を掘り下げていくうちに、

  1. 実務を代行して欲しい
  2. 都合よく動ける人材が欲しい
  3. 予算が無い

という3点のどれかにあたることが、非常によくあります。

特に小規模な会社や個人で運営している場合は、ほぼ、SEO以外の問題として、上記3点のうちどれか、あるいは全てがセットで内包されていることが多いのです。

実務を代行して欲しい

小規模な会社や個人でウェブサイトを運営している場合、どうしてもマンパワーが慢性的に不足します。

そのため、ウェブサイト担当は兼任で時間が取れない、目標も目的もなくサイトを公開しているため改善どころか更新すらおぼつかない、全社的な取り組みや枠組みも無いため放置など、勿体ないケースはゴマンとあるのです。

個人的には「宝の持ち腐れ」と呼んでいます。

しかしマンパワーの問題は簡単には解消しません。

仮に人材を募る企画を立案してもSEOの知見を持たない会社にとっては、どういった人材が相応しいのかさえわからないのが実情です。

デザインができるから大丈夫だろうなんて適当に理由付けして雇えば、人件費だけが流れていくことは目に見えています。

SEOの実務を代行する人材は、改善内容によって条件が変わります。

デザイン面を含めた改善が必要ならばコーダーとライターの両方をできる人、コンテンツのリライトやボリューム増が必要ならばライターへ業務委託すれば良いわけです。

実際に人選や作業の差配、つまりディレクションが難しい場合は、SEOのコンサルティングとディレクションを見積もってもらえば良いわけです。

都合よく動ける人材が欲しい

コンサルティングの場合は、あくまでも戦略的な部分で智恵を出すことが主な業務なので、実務は含まれていません。

実務を含めるなら前述のようにディレクションをメニューに加えて、月に一回のミーティング、あるいは日常の業務連絡でコミュニケーションを取ります。

ところが、コミュニケーションの機会が少ないと感じるのか不満を示し、自らの意の向くままに動いてくれることを望む相談者もいます。

ネット上の情報を頼りに独学でSEO対策に乗り出して、成果が出ていない担当者に多く、原因は人手不足と決めつけているわけです。

詳しくヒアリングすると、やってきた施策がズレてることが、成果の出ない原因のほとんどなのですが、はっきりとは言えないので遠回しに伝えます。

例を挙げると、

  • サーチコンソールに登録はしているがデータを一切見ていない
  • アナリティクスには登録している(だけどもタグ設定が間違っている)
  • キーワード数個で勝負しようとしている
  • 画像がきれいだと検索されると思っている
  • ブログの投稿内容は一行しか記事が無い(もはや記事ではない)
  • 文章の構成が雑

と枚挙に暇がありません。

今までやってきた自負が思考を頑なにするのか、こちらの言葉に半信半疑な部分があるのも特徴で、そのよう場合は相談を打ち切ることにしています。

勝手に〇〇されたと疑われたケースも実際にありましたので。

もし都合よく動く人材が欲しい場合は、SEOの知見を得て、インハウスで育成することをおすすめします。

もしくはコンサルタントに育成を委託することも良いでしょうが、引き受ける業者さんは、あまりないのでは・・・。

予算が無い

予算が無い場合、格安SEOサービスの利用を考えるかもしれませんが、よく検討して契約するようにしてください。

SEOに絶対の成功はありませんが、下手を打つと、検索の土俵にすら乗らないほど落ちぶれることは何度も見てきています。

もし月額で5,000円、あるいは1万円しか捻出できないという場合、作業指示ぐらいならなんとかなります。

ただし歩みは遅くなりますが、仕方がないことです。

SEOはヒト・カネ・情報をつぎ込めるほうが有利に働くことが多いのですが、かといって、大企業のマネをする義務がない、つまり勝てる場所を見つけることができれば、小資本でも勝負できるのが魅力なので、予算が無いからといって諦める必要はありません。

良い方法を共に考えることは可能です。

個人事業主に依頼するSEO対策のメリット

個人事業主へSEO対策を依頼するメリットとしては、

  1. 費用が相対的に安く済む
  2. じっくりと取り組んでくれる
  3. 対応に柔軟性がある
  4. いつでも連絡が取りやすい
  5. 情報共有しやすい

という5点が挙げられます。

費用が相対的に安く済む

すでに何度が申し上げていますが、法人の場合は複数人のチームでSEO対策を実施するので、人件費だけでも数倍は違ってきます。

格安SEO対策サービスこそ最安だという声もありますが、あのサービスは全自動、あるいは半自動化されているから格安なのです。

また、申し込んだ顧客に対してバックエンドサービスへの布石を打つことが目的であり、それ自体のサービスで黒字にならなくても良いからこそ、格安な価格に設定しています

ゆえにトータルコストで考えると、個人事業主のSEO対策がリーズナブルであると言えます。

じっくりと取り組んでくれる

時間をかけて取り組んでもらえることは、非常に大きなメリットです。

常に状況を把握しており、咄嗟の対応も可能になっています。

対応に柔軟性がある

ミーティングひとつ取っても、依頼する側の都合に合わせてくれることが多いです。

チームで動く法人SEOの場合は、業務の一部を外部に委託していることがあれば、日程の調整がつきにくい面もあります。

いつでも連絡が取りやすい

窓口がひとつというのは、業務連絡の上では都合が良いものです。

言伝が無いですから、連絡の行き違いなどが発生しにくいのは、メリットと言えます。

情報共有しやすい

法人のSEOサービスは、営業とテクニカルで担当が分かれていることがあります。

営業担当に修正依頼をしたが、テクニカルスタッフには伝わってなかった、といった情報共有のミスは個人事業主には発生しにくいです。

直接、本人に伝えることで、情報共有もれを防ぐことができます。

個人事業主に依頼するSEO対策のデメリット

個人事業主へSEO対策を依頼するデメリットとしては、

  1. やや進捗が遅い
  2. 実務の対応範囲がやや狭い
  3. 対応ジャンルに偏りがある

という3点が挙げられます。

やや進捗が遅い

ひとりで全てを担当するため、どうしても進捗スピードは速いとは言えません。

しかしSEO対策は、施策のスピードを競うものではなく、あくまでも投資に対するリターンがどれだけあるかという点が評価ポイントです。

実務の対応範囲がやや狭い

外部スタッフに協力を仰げば、あらゆるケースの対応は可能ですが、コストを抑えたいというクライアント様の要望に応えるためには、コンサルタント自ら実務を担当することになります。

ゆえにどうしても実務の対応範囲が、特にソースコードの変更が伴うデザイン面の改善については、限定的になります。

対応ジャンルに偏りがある

Googleの検索品質評価ガイドラインに出てくる「YMYL(Your Money Your Life)」に関するジャンルの対応はデリケートになります。

薬機法、医療法、景表法、特商法などに、ある程度、知見のあるコンサルタントでなければ、依頼することは見合わせた方が良いです。

ちなみに私は、一般社団法人薬機法医療法規格協会より、

  • KTAA:景表法特商法遵守個人認証
  • YMAA:薬機法医療法遵守個人認証

の認定を頂いております。

サイドバーに認定証を提示してあります。

また、法人様向けにYBマーク、MBマークの普及活動も行っていますので、関心がある企業様は、ご連絡ください。

まとめ

オウンドメディア運用やビジネスサイト、あるいはコーポレートサイトのSEO対策の依頼については、費用も含めて法人か個人かの判断は意外に悩むところです。

個人と法人のSEO対策のメリット・デメリットはともかく、使い分けとの視点を持つとムダな費用が防げます。

そのポイントを簡単におさらいしておきますと、

  • 個人へ依頼
    • SEOに全く知見が無い
    • 比較的小規模なサイト(概ね100p以下)
    • じっくり取り組みたい
    • SEOのノウハウも知りたい
    • 予算は少し厳しい
  • 法人へ依頼
    • SEOに少しは知見がある
    • 比較的大規模なサイト(概ね100p以上)
    • スピード感が欲しい
    • できれば丸投げしたい
    • 予算は確保している

という観点だと、少しは判断の目安になります。

ただし最も重要なのは、担当するコンサルタントとの相性です。

実はコレ、意外に重要だったりします。

error: 右クリックはコピーガードのため禁止しています !!